イタリアのドレスシューズと融合した異端児!
2002年に"NIKE(ナイキ)"ランニングフットウェア部門から登場した革新的なランニングシューズの"AIR MAX DOLCE(エアマックス ドルチェ)"。当時の挑戦的なデザイン群の"ALPHA PROJECT(アルファプロジェクト)"に触発され、エアマックスシリーズのフラッグシップモデルの一つとして位置付けられた。そのデザインは、イタリアのドレスシューズのエッセンスを大胆に取り入れた「スニーカーローファー」的スタイルが最大の特徴である。シューレースを排したスリッポン形状の「テック・ローファー」とも呼べる外観は、従来のスポーツシューズの常識を破る実験的なコンセプトであった。
機能面では高性能ランニングシューズとしてデザインされており、厚みのあるウェッジヒール状のデザインに、大型の20PSIのビジブルエアクッションユニットを搭載。アッパー本体には弾性に富むファイロンフォームの成型パーツが用いられ、タン部分を覆う格子状のTPU製シュラウドと、メッシュ素材のインナーソック構造が組み合わされている。これにより、シューレース無しでも足をしっかりと包み込むフィット感と安定性を両立した 。前足部にはカーボン配合ラバー素材のウェブ状パーツが配置され、ホールド性を高めている。
2002年の発売当時、その野心的で独特なルックスゆえにスニーカーファンの間でも意見が分かれ、商業的には限定的な成功にとどまった。2003年にはシューレースを追加した派生版"AIR MAX DOLCE LIGHT(エアマックス ドルチェ ライト)"もリリースされたが、オリジナルは長らくナイキの公式ストーリーからも外された「隠れたモデル」となっていた。
発売から20年以上が経過した2025年、パリ・ファッションウィークにおいて"COMME DES GARÇONS HOMME PLUS(コム・デ・ギャルソン・オム プリュス)"とのコラボレーションによる復刻モデルが発表され、大きな話題を集めた。これはエアマックス ドルチェ史上初の復刻であり、オールホワイトやオールブラックのモノクロ配色で2026年春夏シーズンに発売が予定されている。またこのコラボレーションモデルの発売後には、インラインでも4つのカラーが登場するようだ。
海外では2026年にナイキ取扱店にて発売予定。価格は$170。また新たな情報が入り次第、スニーカーウォーズのXやFacebookなどで報告したい。












